Jean de Pain STUDIO

整骨院・パーソナルジムのホームページ補助金、現実は「HPだけ」では申請できない

2026-06-11 · Jean de Pain Studio
持続化補助金整骨院パーソナルジムホームページ制作補助金活用

「ホームページを補助金で作りたい」という相談で、最初に止まる場所

整骨院やパーソナルジムのオーナーと話していると、ホームページの相談から補助金の話に流れることがよくあります。

「ホームページを作り直したいけれど、見積もりを取ると思ったより高い」「持続化補助金が使えると聞いた」「でも書類が面倒で手をつけられていない」。だいたいこのあたりで止まっている方が多い印象です。

私は東京で一人、Web制作と業務自動化の小さな工房を運営しています。整骨院やジムのサイト制作・集客の相談を受ける側の人間です。その立場から、いちばん最初に伝えておきたいことがあります。

「整骨院 ホームページ 補助金」「パーソナルジム ホームページ 補助金」で検索してこの記事にたどり着いた方の多くは、おそらく「ホームページだけを補助金で作る」つもりで調べているはずです。先にそこだけ言わせてください。

持続化補助金は、「ホームページだけ」では申請できません。正確には、ウェブサイト制作の費用だけを補助対象にした申請は受け付けられない仕組みになっています。ここを知らないまま見積もりだけ取って準備を進めると、申請の直前で組み直しになります。

制作側から見えている現実を、順番に書いていきます。

ウェブサイト関連費には「上限のルール」がある

押さえておきたいのが、ホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」という区分に入り、ここには補助額のうち一定割合まで、という上限があることです。Web以外の経費が少ないと、せっかくのHP費用を補助対象に入れきれない、という現象が起きます。

このあたりの数字の詳細(補助率・上限額・1/4ルールの具体的な計算例)は、別記事の補助金でWeb制作費を実質1/3にする話で書いています。経費区分の落とし穴も含めて整理しているので、数字の中身を確認したい方はそちらを読んでください。なお補助金は回ごとに条件が見直されるため、実際に申請する時点では最新の公募要領で必ず確認してください

この記事で伝えたいのはむしろ、この上限ルールが意味することのほうです。「ホームページを補助金で安く作る」というイメージで来ると、ここで一度がっかりすることになります。でも、これは制度の設計をそのまま受け取れば当然の話で、持続化補助金はそもそも「ホームページを作るための補助金」ではないからです。整骨院・ジムの集客全体の中に、Webをどう組み込むか。本題はそこにあります。

そもそも持続化補助金は「販路開拓」の補助金

持続化補助金の正式名称は「小規模事業者持続化補助金」で、目的は販路開拓、つまり売上を伸ばす取り組みを支援することです。ホームページはその手段のひとつとして認められているにすぎません。「HPだけでは申請できない」理由は、突き詰めればこれだけです。

制度の側から見ると、「ホームページを作りたい」は申請理由になりません。申請に必要なのは「新しいお客さまにどう届くか、どう売上を伸ばすか」という販路開拓の計画であって、ホームページはその計画を実現するための一部品という位置づけです。

整骨院やパーソナルジムの場合、販路開拓の取り組みは現実的にいくつもあります。たとえば、

  • 新メニュー・新コース(産後ケア、姿勢改善、オンライン指導など)の告知用チラシ・ポスティング
  • 店頭の看板・のぼり・サインの新設や刷新
  • 地域フリーペーパーや交通広告への出稿
  • 予約システム・LINE連携など、来店動線をつくる仕組み
  • 体験会・イベントの開催費用

こうした取り組みを束ねた「販路開拓の計画」の中に、ホームページやランディングページを一部として組み込む、というのが順当な形です。Webを主役にせず、集客全体の設計図の中の必要なパーツとして置く。結果として1/4ルールにも収まりやすくなります。

私が制作の相談を受けるとき、いきなりサイトの話から入らず「そもそも、どこから新しいお客さまに来てほしいですか」と聞くのは、このためです。

整骨院・パーソナルジムで「Webを組み込む」具体例

抽象論だけだと進めにくいので、業態に寄せて考えてみます。あくまで設計の考え方の例で、実際の経費区分や対象可否は公募要領で確認してください。

整骨院であれば、たとえば「交通事故・むちうち対応」や「産後骨盤ケア」といった特定の悩みに絞った訴求を新しく始めるとします。このとき、

  • そのテーマ専用のランディングページを新規制作する(ウェブサイト関連費)
  • 同じテーマのチラシを作って近隣にポスティングする(広報費など)
  • 院前に内容を伝える看板を設置する

という形で、ひとつの販路開拓テーマの中にWebとオフライン施策が並びます。チラシや看板を見た人がランディングページにたどり着き、そこから予約に進む。この動線そのものが「販路開拓の計画」になります。

パーソナルジムであれば、新しい料金プランや短期集中コースの集客を取り組みのテーマにできます。新規のランディングページと予約フォームを用意し、地域に向けた広報と組み合わせる。実際に私が関わった例では、ランディングページの新規制作に予約フォームとLINE連携を組み合わせる構成を作りました(詳細は王子のジムのLP制作事例をご覧ください)。

ここでLINE連携を入れているのには理由があります。パーソナル系・施術系の業態は、予約のうっかり忘れ、いわゆる無断キャンセルが売上に直接ひびきます。LINEで予約リマインドを自動で送る設計は、この取りこぼしを減らす目的で業界的にも一般的になってきました。「サイトを作る」だけでなく「来店までつなぐ仕組み」までを取り組みに含めると、販路開拓としての説得力も増します。

集客の入口を整える側、つまり「検索で見つけてもらう」工夫も取り組みの一部になり得ます。別の都内パーソナルジムの案件では、SEOとMEO(地図検索)の実装で地域キーワードの検索順位が3位から1位に変わりました(詳細は板橋のジムのSEO/MEO事例です)。新しく作ったページが検索からも見つかる状態になって、はじめて販路として機能します。

Q&A:整骨院・パーソナルジムのHP補助金でよくある疑問

相談でよく出る質問を3つだけ。

Q. ホームページだけを補助金で作れますか?

持続化補助金では、ウェブサイト関連費「のみ」の申請はできません。ホームページ制作費を補助対象に含めること自体は可能ですが、それ単独では申請が成立しないため、チラシ・看板・予約の仕組みといった他の販路開拓の取り組みとセットで設計する必要があります。「HPを作る」ではなく「集客全体を整える、その一部としてHPを作る」と考えてください。

Q. ホームページ制作費は、いくらまで補助されますか?

ウェブサイト関連費には上限があり、Web以外の経費がそれなりにあって枠が確保できれば、ホームページ費用の一定割合が補助されます。具体的な補助率・上限額・計算例は補助金でWeb制作費を実質1/3にする話にまとめています。回ごとに条件が変わるため、申請時点の最新公募要領での確認が前提になります。

Q. 整骨院・パーソナルジムは、そもそも対象になりますか?

持続化補助金は小規模事業者を対象にした制度で、従業員数などの要件を満たせば、整骨院やパーソナルジムも対象になり得ます。業態そのものより、事業規模の要件と販路開拓の計画の中身で決まります。具体的な要件は公募要領で確認するのが確実です。

私がやること・やらないこと(正直に書きます)

ここははっきり線を引いておきます。

私は、補助金の申請書類そのものの記入を代行することはしません。これは行政書士法に配慮した立場です。書類への記入はお客さまご自身に行っていただく必要があります。

私がお手伝いできるのは、制作と集客の現場を見てきた立場からの助言です。具体的には、

  • どの制度・どの枠が、その事業の今のフェーズに合いそうかの整理
  • 「販路開拓の取り組み」全体をどう設計するか、その中にWebをどう組み込むか
  • 申請を考えるうえで、制作側として知っておくと有利なポイントの解説

このあたりが中心です。「ホームページを作りたい」を「販路開拓の計画」に翻訳して、そのうえで必要なWebの部分を制作する、という関わり方になります。

制作の費用感もここで出しておきます。ランディングページの制作はおおむね ¥80,000 から、公開後の月額保守は ¥5,500 からが目安です(いずれも税抜・案件によって変わります)。補助金を前提にする場合は、この費用がどの経費区分に入り、1/4ルールの枠に収まるかを最初から逆算して設計したほうが、あとで組み直しになりません。

段取りとしては「制度確認 → 計画設計 → 制作」の順がいい

最後に、進め方の順番だけ整理しておきます。

ホームページの見積もりから入ると、たいてい途中で詰まります。おすすめは逆で、

  1. 申請したい回の公募要領を確認し、要件と経費区分・上限を把握する
  2. 「販路開拓として何に取り組むか」を先に決める(Webはその一部)
  3. 取り組み全体の中で、Webにいくら・どの区分で割り当てるかを逆算する
  4. そのうえで、実際の制作に入る

この順番だと、ウェブサイト関連費の上限も、最初から織り込んで設計できます。「作ってから補助金に当てはめる」ではなく「補助金の枠に合わせて取り組みを設計し、その一部としてWebを作る」。整骨院でもパーソナルジムでも、ここが噛み合うかどうかで、申請の通しやすさも、作るサイトの中身も変わってきます。

採択されるかどうかは審査次第なので、ここで安請け合いはしません。ただ、設計の段階で制度のルールに沿った形にしておくことはできます。

「うちの場合、何を取り組みにして、その中にWebをどう入れればいいのか分からない」という段階の方は、無料の業務診断で現状を一度整理するところから始めてみてください。制度の確認と、販路開拓の設計の入口まで、制作側の目線で一緒に考えます。

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